ラジオ番組 マイあさ! マイ!Biz「次世代に先送りしない 新しい財政規律」を聞いて

2025年7月11日に放送されたラジオ番組 マイあさ! マイ!Biz「次世代に先送りしない 新しい財政規律」を聞きました。

この番組は、日本の財政運営において、将来世代への過度な負担を避けるための具体的な提案と方向性を示しており、極めて重要な内容でした。

長期・中期・短期に分けて財政目標を設定する構造は、現実的でありながらも明確な方向性をもたらすものです。

長期:GDP比での債務残高の削減(現状約240% → 210~215%へ)を10年で目指す。

中期:3年スパンで政策ごとの予算配分と効果検証を行う。

短期:年度内での財源確保を前提とした支出・減税の実行。

このように時間軸を明確にすることで、場当たり的な政策決定を防ぎ、計画的・持続的な財政管理が可能になります。

毎年のように物価対策や災害対応を理由に補正予算が編成され、それが「当たり前」となってしまっている現状に警鐘を鳴らしています。

本来、補正予算は緊急対応のための例外的な手段であるべきで、恒常的に使われることで財政の見通しが不透明になります。

日本の国債残高は先進国中で最悪水準(GDP比240%前後)であり、国債の格付けが下がれば金利上昇や投資回避につながる恐れがあります。

今後の災害や有事の際に、「まだ国債を発行できる余力」を残しておくためにも、今のうちに健全化しておく必要があります。

政策の「効果測定」ができていない現状に対し、「政策プログラム評価委員会」と「長期財政推計委員会」の設置が提言されています。

毎年の評価で達成度が低い政策は三年を待たずに廃止・縮小を検討。

長期的には、政策が将来の財政にどう影響するかを「見える化」することで、国民の理解と納得を得やすくなる。

この番組を通じて、「財政規律」とは単なる数字合わせではなく、次の世代への責任そのものであるという強いメッセージを感じました。

現代の日本では、選挙ごとに耳あたりのよいバラマキ政策が目立ちますが、その背後では将来世代にツケを回す構造が温存されています。

このラジオで提言された財政の「見える化」や、政策効果の定量的な検証、そして制度的な廃止判断の仕組みは、政治や行政の透明性を高め、責任ある政策運営につながる希望を感じさせました。

特に「三年で見直す」「効果のない政策はやめる」というルールは、政治にありがちな「やった感」ではなく、結果重視の姿勢を示す点で好感が持てます。

また、こうした改革には、政治家だけでなく、私たち一人一人の「財政に対する関心と理解」も不可欠です。

未来に責任を持つ姿勢を社会全体で共有できるかどうかが、日本の持続可能性を左右する――そんなことを考えさせられました。