ラジオ番組 マイあさ「介護ストレスの対処法」を聞いて

2025年5月4日に放送されたラジオ番組 マイあさ「介護ストレスの対処法」を聞きました。

この番組は、在宅介護におけるストレスの本質と、その対処法について丁寧に語ったものです。

その冒頭で強調されているのは、「誰もが抱える介護ストレス」という事実です。

介護とは単なる身体的サポートではなく、「生活のリズム(時間)」、「住環境や仕事(空間)」、「家族内の役割や関係(人間関係)」を大きく変える体験です。

これらの変化は見えにくいけれど、大きな精神的負荷となることを的確に指摘しています。

介護がうまくいかないと、「自分のせいだ」と思いがちです。

すると「なんで私だけが」「いつまで続くの?」という問いが生まれる。

「親が亡くなることを願っているのでは?」という罪悪感に苦しむ。

自分を責めたり、親にイライラしたりすることで、ストレスはさらに増幅。

このようにして、感情の迷路に迷い込みやすいという介護ストレスの特徴をこの番組は分かりやすく説明しています。

ストレスが極限に達すると、「自分の思い通りにしよう」とする気持ちが出てきます。

「ちゃんと言うことを聞いてよ!」

「なんでわからないの!?」

こうした感情が高まり、「言うことを聞かせようとする行為」へ発展すると、それは心理的・身体的な虐待につながる危険があるというのもまさにその通りです。

ここで番組は非常に大切な原則を語っています。

「人は思い通りにならないし、してはいけない」

これは、健全な人間関係の出発点であり、介護においても最も重要な視点です。

番組は、ストレスが深刻化する前に早めに相談することをすすめています。

「地域包括支援センター」は、介護の相談窓口です。

介護経験のある専門スタッフが話を丁寧に聞いてくれ、状況に応じたサポートを提案してくれます。

「話すこと」自体がストレスの軽減につながります。

「頼っていい場所がある」という安心感を得るだけでも、大きな支えになります。

ここでいう「真の自立」とは、「困った時に、助けてくださいと言えること」であり、このことがまさに介護の最も重要なことだと言えます。

介護する側が一人で抱え込まず、適切に人の手を借りることが自立であり、それこそが介護ストレスと向き合う原動力なのだという指摘には100%賛成です。

この番組は、「介護をする側の心の声」に正直に寄り添いながら、「我慢しなくていい」「一人で抱えなくていい」というメッセージを伝えています。

介護は愛情だけでは続かず、制度・支援・人とのつながりを頼ることが、本当の意味で「大切な人を大切にする」道なのだということを、私たちに教えてくれています。

最後にもう一度言います。

ストレスが深刻化する前に早めに「地域包括支援センター」に相談することをおすすめします。