「関根勤の世代間ギャップラジオ」を聞いて
2025年4月29日に放送されたラジオ番組 「関根勤の世代間ギャップラジオ」(放送局:NHK)を聞いた。
Sherryさんが自分のミレニアル世代について詳しく語ったところもとても興味深かったので、ここに書いておきたい。
バブル崩壊後の不況、リーマンショック、就職氷河期、そして子育て世代としてのコロナ禍――社会の大きな変化を真正面から受け止めてきた世代としての自覚があり、これらの体験が、「堅実」「慎重」「無理をしない」価値観を生み出したのは自然な流れです。「
「豪邸に住みたいなんて誰も思ってない」「不安がないという平和が楽しい」などの言葉には、バブル期の価値観から大きくシフトした現代のリアリズムと慎ましやかな幸福感がにじんでいます。
SNS時代に育ち、「見栄」や「虚飾」の危うさを知るミレニアルは、「自然体でいること」に美徳を見出す傾向があります。
それは、物質的な豊かさよりも、安定や日常の安心感に重きを置くという価値観の変化でもあります。
また、ただ苦労を嘆くだけでなく、「ふんばるぞ」「なんでもやれる気がする」と前を向く姿勢が、経験に裏打ちされた強さとして印象的です。
ただの我慢強さではなく、柔軟で前向きな回復力(レジリエンス)が感じられます。
状況に応じて自分の期待値や目標を調整できる力、完全勝利ではなく、「うまく折り合いをつけながら生きる」ことへの肯定。
これらは、現代的な「成熟のかたち」といえます。
Sherryさんの語りを通して、ミレニアル世代の「時代に揉まれながらも、しなやかに生き抜いてきた力強さ」が浮かび上がってくるように思いました。
成功や幸せの定義が多様化し、「小さな幸せを大事にする」ことが広がり、それに伴い、「無理をしない」「休むことを肯定する」文化の重要性も再認識されている。
ミレニアル世代の姿勢は、過剰な競争を乗り越えた先の生き方のモデルとして、今後ますます注目されるでしょう。