マイあさ!  Biz「働く母親が子育てで感じる罪悪感、解消のカギは」を聞いて

2025年8月12日に放送されたラジオ番組 マイあさ!  Biz「働く母親が子育てで感じる罪悪感、解消のカギは」を聞きました。

  1. 番組は、日本における「働く母親」の割合が初めて80%を超えたというデータを起点にしています。
    これは女性の社会進出の進展を示す一方、育児や家事負担の多くが依然として女性側に偏っている現状も浮き彫りにしています。
    男性の家事・育児時間が女性の約5分の1という数字は、ジェンダー役割の固定観念が根強く残っていることを示しています。

2. 罪悪感の正体
 母親たちが抱く罪悪感の背景には、理想の母親像(社会やメディアによる刷り込み)、時間的制約(仕事と子育ての両立困難)、職場でのプレッシャー(残業不可、急な呼び出し、肩身の狭さ)があります。
 特に「理想」と「現実」のギャップが精神的負担を増幅させており、成果を求められる立場(管理職など)になった際には、子育てとの両立の難しさから「不完全さ」や「自信喪失」につながりやすい構造が見えます。

3. 罪悪感の解消へのカギ
 番組は「量より質」のコミュニケーションを重視しています。
 傾聴:子どもの話を途中で遮らず、気持ちを理解しようと努める。
 共感:感情を否定せず、そのまま受け止める。
 これにより、子どもは「親は自分を理解してくれている」という安心感を持ち、時間の長短にかかわらず健やかに育つとしています。
 例えば、子どもが学童に行きたくないと言えば、「そうはいかない。」と突き放すのではなく、「ママといたいんだね。」と言うのが理想です。
 すると子どもは、親は分かってくれていると安心して、コミュニケーションを次のステップに進めます。

4.環境づくりのポイント
 パートナーとの協力(家事・育児のシェア)、外部資源の活用(ベビーシッター、親族、近隣ネットワーク)、職場との交渉(できることと難しいことを具体的に伝える)、上司・管理職の理解と支援体制、特に、中小企業では経営トップの意識改革が必要とされ、これが企業ブランドや採用力の向上にも直結すると指摘しています。

5. 感想
 この内容は、単なる「働く母親の悩み」ではなく、日本社会全体の構造的課題を示していると感じます。
 罪悪感の根っこは個人の弱さではなく、社会的背景にある、つまり個人努力で解消できる範囲を超えた課題であり、制度や文化の変革が不可欠です。

 経営戦略としての子育て支援は、女性だけでなく男性・企業にもメリットがある。
 企業側の取り組みは福利厚生の一部ではなく、優秀な人材確保のための投資と捉えるべきです。

これで「理想と現実のギャップ」は“自分責め”から“設計変更”の対象に変わります。
じわっと効きます。