ラジオ番組 マイあさ! Biz 「中国企業の海外進出熱」を聞いて

2025年7月7日に放送されたラジオ番組 マイあさ!  Biz  経済のイマ「 中国企業の海外進出熱」を聞きました。

中国国内では人件費や地価、環境規制などのコストが上昇し、製造業を中心とした「安い労働力」に依存したビジネスモデルが限界に達しつつある。

さらに、国内景気は構造的な課題(人口減少、消費低迷、不動産不振など)を抱え、短期的な回復が難しい状況です。

トランプ政権以降の対中関税や技術規制など、米中の経済対立は長期化・構造化している。

単なるコスト問題だけでなく、政治的リスクを避けるための「出口戦略」としての海外進出する必要がある。

以上のような意味で、中国企業の海外進出は、単なる「コスト削減」や「新市場開拓」だけでなく、政治リスクの回避、グローバル競争力の維持といった戦略的な動きとして非常に合理的です。

一方で、個々の経営者は慎重でも、結果的に多くの中国企業が同時に進出することで、現地からは「経済的侵略」のように見られる恐れがある。

規模の経済とスピード感は中国の強みだが、その進出規模やスピードが速すぎることで、現地側に「侵略的」と映るリスクも無視できません。

現地で受け入れられるには「自分だけが得する」モデルではなく、相手の満足感・納得感が重要である。

日本企業が過去30年で多くの失敗から学んだように、現地社会や文化との「調和」を考慮しなければ、長期的な成功は難しい。

中国も「経済合理性」だけではなく、現地社会との信頼構築や共存共栄を意識する必要があると強く感じました。

今後、中国企業が単なる「経済的な巨人」ではなく、「世界と共に成長するパートナー」として認識されるかどうかは、経済合理性以上に「文化的理解」「社会的責任」をどれだけ果たすかにかかっていると思います。

これは日本企業にも共通する課題であり、東アジア発のグローバル企業が、欧米流とは異なる「新しいグローバルビジネスの形」を示せるか、注目したいところです。