「ちきゅうラジオ 世界バイク旅の魅力」(NHK)を聞いて
2025年7月5日に放送された「ちきゅうラジオ 世界バイク旅の魅力」(NHK)を聞きました。

ガイドの西村さんが特に語っていたのは、アメリカ大陸の 「圧倒的なスケール」 です。
日本では決して味わえない、地平線まで何もない荒野や、どこまでも続く一本道をバイクで走ることに、大きな開放感とロマンを感じるのでしょう。
さらに印象的なのは、人との交流です。
困っていると 「自然に声をかけ、水を分けてくれる」 というアメリカ人の気質が強調されています。
これは「旅先での人の優しさ」という、バイク旅に限らず世界を旅する上での醍醐味の一つです。
一方、バイク旅は単なる個人の冒険ではなく、今回は 20人もの団体で走る という「集団旅」の側面が語られています。
アメリカの大型バイク(ハーレー)は日本人には少しサイズが大きく、普段と感覚はずれて、こけてしまったりする。
そのようなトラブルも 「みんなで助け合って乗り越える」 ことで、単なる旅以上の「仲間との経験」に変わります。
旅の途中で仲間とはぐれたり、迷子になったりすることも日常茶飯事。
しかし、それを責めるのではなく 「また合流できる」 という信頼関係とユーモアで乗り越える様子が描かれています。
これは、予定調和なパッケージツアーでは味わえない、人間同士のリアルなつながりと言えるでしょう。
ルート66は東部と西部で風景や雰囲気が大きく異なります。
東部では観光スポットに立ち寄る「観光ツアー」的な色合いが強いですが、西部に入ると風景そのものが「開拓時代のアメリカ」を感じさせ、走るだけで歴史と物語に包まれる。
バイクという「自由な乗り物」で西部を走ることで、まさに アメリカンドリームや西部開拓時代の冒険心 を追体験できるのです。

この話を聞いて思うのは、バイク旅は「孤独な冒険」ではなく、「自由」と「人とのつながり」を同時に味わう旅 だということです。
バイクは一人で風を切って走る孤独な乗り物である一方、困った時は人と支え合い、時には知らない人に助けられる。
その矛盾こそがバイク旅の醍醐味なのでしょう。
また、旅の計画通りにいかないことを受け入れ、回り道さえも楽しんでしまう。その「余白」を楽しむ姿勢は、現代社会の効率重視の生活とは対極にある、生きることそのものの楽しさに思えました。
もしこの旅に参加したら、最初は不安もあるでしょう。
でも、仲間や現地の人との交流の中で、予定外の出来事を楽しめるようになるのではないかと感じました。
バイク旅は「遠くまで行くこと」が目的ではなく、「どう走るか」「誰と走るか」が大切なんだと実感しました。