ラジオ番組 マイあさ「認知行動療法」を聞いて
2025年2月13日に放送されたラジオ番組 マイあさ!「認知行動療法」(放送局:NHK)を聞きました。
この番組は、認知行動療法(物事のとらえ方 [認知] や行動に働きかけて、ストレスを軽減する心理療法)の考え方を日常の出来事に落とし込みながら、無理なくストレスに対処する方法を提案しています。
心が疲れている人にとって、「頑張りすぎなくていい」「まずは小さな気づきから」というメッセージがしっかりと伝わってくる内容であり、多くの人の助けになると思います。
①「犬が鎖でつながれているのに、犬が危険だと思い込んで、店の中に入れない」例は、とても身近で説得力があります。
認知行動療法の核心である「自動思考(自分の頭に自然に浮かぶ考え)」を客観的に見つめ直すという姿勢が、初心者にも理解しやすい形で示されています。
ここで重要なのは、「それが本当に正しいのか?他の可能性は?」と一歩引いて自分の考え方を見直す姿勢を育てること。
初心者が認知行動療法を取り入れる第一歩として、このような身近な例があると、「頭ではわかるけど難しい」と感じていた壁を取り払う効果があります。
②「人は楽しいことより怖いことを脳に残す」という一文は、多くの人がネガティブになってしまう理由を「仕方のないこと」と捉え直す助けになります。
自己否定から抜け出すためのやさしい視点であり、心の重荷を軽くする効果があります。
「どうして自分ばかり落ち込みやすいんだろう」という自己否定のループを断ち切る視点が生まれます。
「ネガティブであることも自然なこと」と受け入れられれば、対処の第一歩が踏み出しやすくなり、認知の修正への意欲も湧いてきます。
③「ポジ練(ポジティブの練習)」というネーミングも親しみやすく、寝る前に“できたこと・楽しかったこと・感謝すること”を振り返るという習慣は、すぐにでも始められる簡単な方法です。
「朝起きられた」「おいしいご飯が食べられた」など、小さなことを大切にする姿勢がとても良いと思います。
小さな「できたこと」に意識を向けることで、自己効力感(self-efficacy)が少しずつ積み上がっていきます。
これを夜の習慣として取り入れることで、眠りの質にも好影響を与えます。
④千葉大学での実際の研究成果が紹介されていることで、「単なる心がけ」ではなく、効果が実証された方法であることが伝わってきます。
これは、支援者(家族や教師、医師など)が本人を説得する際にも使える、説得力のある材料です。